STORYストーリー

3つのストーリーで巡る世界遺産と産業遺産3つのストーリーで巡る世界遺産と産業遺産

明治維新以降、急ピッチで近代化が進んだ日本。激動の歴史の中で、北九州市と周辺地域は筑豊炭田を背後に控えた「石炭」、官営八幡製鐵所による「製鉄」、国際貿易港として栄えた「海運」の3つの分野で、日本の近代化を支えました。そして21世紀となった今も、その「ものづくりの精神」は脈々と受け継がれ、日本の産業界をリードし続けています。
それぞれの産業の発展に貢献した「人」の足跡にも注目し、日本の近代化や高度経済成長を支えた先人たちの情熱を感じながら、北九州市の歴史を「石炭」「製鉄」「海運」の3つの物語でたどる周遊ルートを紹介します。北九州の産業が成長した理由は、近代というわずかな期間に大規模な港を造り、鉄道や水運で九州各地の物質を集めることができた地の利、そしてその利便性を生かし、多くの技術を生み出した人々のたゆまぬ努力があります。新幹線駅のある小倉から、また周防灘沖の北九州空港から車で1時間以内の身近な場所に、産業とそれにまつわる物語や食、それらを育んだ美しい自然が広がる北九州。そして、明治の産業が生んだ「北九州奇跡の物語」。きっとそれぞれに、日本の近代化や高度経済成長を支えた先人たちの情熱が伝わってくるはずです。

STORY01

「石炭」物語

江戸時代から製塩用の燃料などとして使われてきた筑豊の石炭。明治になると、石炭は近代化のエネルギー資源として開発が進み、筑豊炭田は国内最大級の規模を誇っていました。八幡に製鐵所が建設されることになったのも、燃料となる石炭を安定供給できる筑豊の存在が大きかったのです。

《この人に注目!》

広岡 浅子
筑豊の炭鉱発展に貢献 広岡 浅子

朝ドラのヒロインのモデルとなった明治・大正時代の実業家。
いち早く炭鉱事業に進出し、筑豊の炭鉱発展に貢献しました。

安川 敬一郎
北九州の発展に多大な貢献 安川 敬一郎

麻生・貝島と並ぶ筑豊御三家の一人。安川電機製作所(現・安川電機)の創立発起人。若松港の整備に尽力するとともに、子の松本健次郎と明治専門学校(現・九州工業大学)を開校するなど人材育成にも貢献しました。

STORY02

「製鉄」物語

日本の産業革命に不可欠だった鋼鉄。しかし、当時は鋼材の大半を輸入に頼っていたため、明治政府は一大国家プロジェクトとして製鉄所の建設に取り組みました。製鉄先進国であったドイツの指導のもと、明治34年(1901)、ついに官営八幡製鐵所が誕生。明治から今に至るまで、日本の経済発展を支えています。

《この人に注目!》

野呂 景義
製鐵所安定操業の立役者 野呂 景義

明治34年(1901)に操業開始した官営八幡製鐵所ですが、その船出は厳しい状況となり、翌年には休止。そのピンチを救ったのが野呂景義です。彼は釜石製鐵所の経験に学び、製鉄技術を向上、鋼材生産量を著しく急増させました。

STORY03

「海運」物語

明治22年(1889)に国の特別輸出港に指定された門司港をはじめ、石炭の積み出し港となった若松港など、北九州は九州の門戸として、さまざまな文化や情報、人、物が行き交う地となりました。今も門司港と若松の両地には当時の面影を伝える建造物などが残り、華やかな時代を今に伝えています。

《この人に注目!》

出光 佐三
「出光興産」は門司港から 出光 佐三

明治44年(1911)門司港にて石油販売業の「出光商会」を創業。国際石油資本に対抗できる石油会社を築き上げました。出光氏は下関で漁船燃料油の販売に成功し、その基盤を築いたのです。

STORY01

「石炭」物語"黒いダイヤ"は
日本近代化の原動力に!

産業革命の動力となった「石炭」。特に飯塚・田川・直方市を中心とした筑豊エリアは全国有数の産出量を誇りました。その出荷港となった若松南海岸エリアは、当時料亭の数が100を超えるほどの繁華街として栄え、今もその面影を残しています。
筑豊の炭鉱発展に貢献した広岡浅子や、筑豊御三家の一人で安川電機製作所の創立発起人である安川敬一郎の足跡にも注目しながら、石炭の産出~輸送~出荷に沿って地域を訪ねる周遊ルートです。

〈観光周遊ルート〉

田川市石炭・歴史博物館

田川市石炭・歴史博物館

石炭の歴史や炭鉱で働く人々の様子をパネルやジオラマなどでわかりやすく伝えます。2011年5月に世界記憶遺産に登録された「山本作兵衛コレクション」は必見。

  • 電車
  • 車
  • 約35分

旧伊藤伝右衛門邸

旧伊藤伝右衛門邸

筑豊の炭鉱王・伊藤伝右衛門の本邸。細部まで贅を尽くした絢爛豪華な造り。

  • 電車
  • 徒歩
  • 50分

官営八幡製鐵所 遠賀川水源地ポンプ室

官営八幡製鐵所 遠賀川水源地ポンプ室

明治39年(1906)、官営八幡製鐵所の生産を倍増するための拡張工事に伴い、さらなる水が必要とされたことで造られました。明治43年(1910)に完成。操業当時の動力は石炭でした。現在も製鐵所が必要とする約7割の水を送り続けています。

  • 電車
  • 徒歩
  • 28分

遠賀堀川(折尾駅)

遠賀堀川(折尾駅)

遠賀川と洞海湾を結ぶ全長12㎞の川。筑豊からの石炭輸送の動脈となり、石炭を積んだ「川ひらた舟」が、出荷港である若松を目指して行き来しました。その歴史などを描いたパネルがJR折尾駅西口横に展示されています。

  • 電車
  • 徒歩
  • 約10分

安川電機ロボット村

安川電機ロボット村

大正期に安川敬一郎の子、第五郎が創業。安川電機みらい館では、ものづくりの楽しさや最新のロボット技術などが学べます。

  • 電車
  • 徒歩
  • 約30分

北九州市旧古河鉱業若松ビル

北九州市旧古河鉱業若松ビル

炭鉱会社だった古河鉱業の事務所で、ルネサンス様式の美しい外観が印象的。

  • 徒歩
  • 1分

石炭会館

石炭会館

明治末期に竣工。現存する若松南海岸の洋風建築群では最古のもの。

  • 徒歩
  • 7分

わかちく史料館

わかちく史料館

石炭積出港として栄えた洞海湾。その開発・運営を手がけた若松築港会社(現・若築建設)による史料館。若松や洞海湾の歴史などをパネルや映像などで紹介しています。

STORY02

「製鉄」物語国家の威信をかけた
壮大なプロジェクト!

日本の近代産業は、1901年(明治34年)に、国内初の本格的近代溶鉱炉を持つ官営八幡製鐵所が操業を開始した北九州市で幕を開けました。官営八幡製鐵所は、日本近代化への大きな一歩となった、国家の一大プロジェクトだったのです。やがて北九州市は「ものづくりのまち」として発展し、四大工業地帯の一つとなって日本の高度成長を支えていきます。そして2015年、官営八幡製鐵所の4施設が「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として世界文化遺産に登録されました。製鐵所安定操業の立役者として知られる野呂景義の足跡にも注目しながら、明治・大正時代にさかのぼって、「ものづくりのまち」北九州市の原点を探る周遊ルートです。

〈観光周遊ルート〉

門司赤煉瓦プレイス

門司赤煉瓦プレイス

帝国麦酒(現サッポロビール)の工場だった建物を利用した複合施設。製鉄の際、鉄鉱石から銑鉄を取り出した残り=鉱滓から作った煉瓦を使った国内最古級の建物。

  • 電車
  • バス
  • 徒歩
  • 約66分

河内貯水池

河内貯水池

製鐵所の鉄鋼増産用の水を確保するために建設された人造湖。現在は北九州市の観光スポットとなっています。春は桜、秋は紅葉が見事。

  • バス
  • 徒歩
  • 約50分

官営八幡製鐵所旧本事務所

官営八幡製鐵所旧本事務所

官営八幡製鐵所の中枢となったのが、この本事務所。長官や技監、ドイツ人技師などがここに集い、製鐵所建築に携わりました。内部は非公開ですが、眺望スペースから見学できます。

  • 徒歩
  • 15分

東田第一高炉跡

東田第一高炉跡

歴史的な火入れが行われた日本初の銑鋼一貫型高炉。内部は展示スペースに。

  • 徒歩
  • 1分

北九州イノベーションギャラリー

北九州イノベーションギャラリー

北九州の産業技術の歴史と革新に関する資料の展示・体験施設。

  • 車
  • 8分

皿倉山の夜景

皿倉山の夜景

新日本三大夜景のひとつ。ケーブルカーとロープカーを乗り継いで山頂へ。若戸大橋など洞海湾一帯から関門海峡まで、極上の夜景を楽しめます。

STORY03

「海運」物語関門は人、モノ、
情報が行き交う港町として発展!

海に開けた北九州市は、古くからアジア大陸との交易船の停泊地として利用されてきた歴史を持ちます。官営八幡製鐵所の操業を機に北九州市が工業都市として発展してきた背景の一つにも、この地理的優位性がありました。
門司港レトロ地区などには、その時代の面影が数多く残り、往時の活気を今に伝えています。
昨今、小説や映画でも注目度が高い、出光興産創業者の出光佐三の足跡をたどりながら、北九州周辺地域の海運の歴史を探る周遊ルートです。

〈観光周遊ルート〉

旧下関英国領事館

旧下関英国領事館

明治後期の外交関連施設として貴重で、国の重要文化財に指定されています。

  • 徒歩
  • 5分

唐戸市場

唐戸市場

卸売市場は一般に開放。毎週末と祝日に飲食イベント「活きいき馬関街」を開催。

  • 徒歩
  • 船
  • 15分

出光美術館

出光美術館

石炭全盛期、先見の明をもって25歳で門司港に石油販売会社「出光商会」を起業し、一代で「出光興産」を築き上げた出光佐三氏。芸術にも造詣が深かった氏のコレクションを中心に展示する美術館。

  • 徒歩
  • 6分

旧門司税関

旧門司税関

門司港が石炭、米、麦、小麦粉、硫黄の特別輸出港に指定されたことに伴い、長崎税関の出張所として、明治42年当時7番目の税関として発足。現在の建物は過去の写真をもとに4年の歳月をかけて一部復元・修復整備されたもの。

  • 徒歩
  • 4分

旧大阪商船

旧大阪商船

大阪商船の門司支店として大正6年(1917)建設。当時、北側が海に面し、専用桟橋から直接乗船可能でした。八角形の塔屋が特徴的で、2階には、わたせせいぞうの作品を展示。

  • 徒歩
  • 7分

旧大連航路上屋

旧大連航路上屋

昭和初期、門司港と大連を結ぶ航路があり、その国際旅客ターミナルとして建てられました。当時の姿を復元。館内には映画関係の資料展示室「松永文庫」などがあります。

  • 徒歩
  • 4分

関門汽船クルーズ(マリンゲートもじ)

関門汽船クルーズ(マリンゲートもじ)

北九州市の美しい工場夜景を海から眺める「夜景観賞定期クルーズ」が人気。

  • 車
  • 45分

白島展示館

白島展示館

石油や備蓄基地のことが学べる展示館。展望室からは360度の景色が楽しめます。

  • 車
  • 1時間

宗像大社

宗像大社

宗像市出身の出光佐三氏が厚く信仰。境内の神宝館では8万点の国宝を展示。